耳掻き断念に挑戦!
掲示板で申し込みのあった耳掻きをしない、に挑戦しました。
苦痛な1週間でした。


◆2003.3.11
履歴書にはさすがに書きませんが、耳かきは私の趣味、というかほぼ日課です。
会社から帰ってきてほっとするとまずブー、とおならが出ます。
同居人にはしかめ面をされますが、本当に同じ時間に、ブー。
その後耳かきをするのが毎日の幸せなのです。

「耳ねん棒」(粘着質な綿棒。両面テープみたいなもので耳くそをとります)
「オリーブオイル綿棒」(オイルがついた方の綿棒で耳をひとふき、その後ふつうの綿棒でくるりと耳くそをとるもの)
「耳掃除機」(名前のとおり、電動で吸い出す小さな掃除機)
「ジョンソン綿棒」(数ある綿棒の中でもこれがいちばん)

など、話題の耳関連グッズには金を惜しまないでやってきました。
そんな私に耳かきをしないでみてください、という掲示板の書き込み。
正直「そんなことできるか」とひとり毒づきましたが、頼まれ事は断らない主義、そして物には執着心がないので残っていた綿棒一式、捨てさせていただきました。
ホームページはじめて以来の気合いで挑みたいと思います。

◆2003.3.12
会社から帰ってきて、昨日捨てた綿棒をさっそくゴミ箱から探す始末。
意志の弱さがどうこう考える以前に耳がかきたくて仕方ない。
すると、燃えるゴミにもう出しちゃったよ、という同居人。
「ゴミ箱確認してから捨てなさいよ!」とめちゃくちゃな注文をして布団に飛び込んだ瞬間、私のベッドの下にはいろいろな小物が落ちていることを思い出しました。
「もしや」と思いベッドの下にもぐりこむと、ピン、ボールペン、メモ帳、ベルト、そしてずっと探していたピアスが。
「あー!」とひとり絶叫した後、今度は消毒液を家中探し回り、消毒したピアスを装着すると耳かきに対する熱意が失われていました。
風呂あがりが台無しでしたが一石二鳥でした。

◆2003.3.13
夜。
またベッドの下にもぐりこむ。残ってる綿棒はないかしら。ないかしら。
もはや「耳かきを我慢する」ことへの挑戦ではなく「落ちている綿棒を探す」ことに挑戦しているような気がする。
またしても風呂あがりにベッドの下にもぐりこんだため、風呂あがりの膝がほこりまみれに。
学習能力のなさを思い知らされた。
そして、豆まきをした覚えもないけれど、殻がついたピーナッツを3つ発見しました。

◆2003.3.14
私の耳は乾燥耳なんですが、父の耳はしめっている「猫耳」です。
小さなころ、父親が耳かきをしているのを横目で見ていると、山のように耳くそがとれているのです。ティッシュの上にちょっとした耳くその丘を作っている時に「お父さん、耳くそ大会があったら1位だね!」と言うと「ああ、1位だな」と笑う父。
そして2人で「でももっととれる人もいるかもね」「いたらどうする?」などと品のかけらもない、そして発展もない会話を延々と続ける親子の時間を夢に見ました。
懐かしいな、と思うとともに深層心理でもそんなに耳かきをしたがっている自分に気づかされました。

◆2003.3.15
ベッドの下には綿棒はありません。
ソファの下にもありません。
いい加減買いに行こうかとは思うのですが毎日毎日忘れてしまうのです。
いらいらする。
ついにティッシュをまるめてコヨリをつくり耳に差し込む始末。でも「くにゃっ」となってしまいもちろん取れるわけもありません。そんなことを20分くらい試していると耳の奥から「バリバリッッ」という音が…。

2003.3.16
昨日の「バリバリッ」という音を聞いてからというものその大物がとりたくて仕方ありません。
初めて「耳ねん棒」を使った時に信じられないほどでかい耳くそが取れたことがあります。
うれしさのあまり、濃紺のTシャツの上に耳くそをそっと置いて、まじまじと眺めていたら鼻息でふわっと飛んで大騒ぎしたことがありほどでした。
そっとコヨリを耳に入れると「バッッ…カサッバリッ!」昨日とは違う音が。
育ってます。耳くそ。

◆2003.3.17
誰に言っても信じてもらえないことってありますか?
私の祖母のびっくりエピソードは、大体誰にも信じてもらえないことばかりです。
昔、祖母の背中を流しに風呂に入ると、彼女のへそから真っ黒い物体が飛び出ていたのです。
しかもご丁寧にその真ん中からひょろり、と毛が出ているのです。
「ちょっと何それ!!」と叫ぶと「ごま」というには差し支えのありすぎる1センチほどの物体を
「へそのごま」と言い張って譲らない祖母。
「ほれ」と言いながらその物体を指でつついて見せてくるんですが、確かにへその穴にがっちりと食い込んでいる様子。
後日「オリーブオイルぬったらポーンと飛んでった」とのこと。確かにあの真っ黒な物体はどこにもありませんでした。

前置きが長くなりましたが、その祖母が、ある日学校から帰ってきた私に「あこちゃん、ほれ」と折り畳んだティッシュを渡してきたのです。
「なに?」と開くと中から2センチ×4センチくらいの魚の干物のようなものが。
言わずともおわかりでしょうが「耳くそ」とうれしそうにシャッシャッと笑っているのです。
「こんなものが収納されてるわけない」と一悶着あったのですが、よくよく見るとやっぱり耳くそらしき気配が。
老人の神秘に触れました。
いつか私も年老いたら孫にそんなすごいものを見せてあげたい、とその時から耳かきに対する執着心がわいたのかも、と自分を振り返るいい機会になりました。


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この後、「バリバリッ」の音の正体と格闘すること2日。何を使っても出てきません。耳ねんぼうを使ってもでてこない「バリバリッ」。
出てきたら写真でお伝えしたいと思います。
おばあちゃんのようになりたい、そんな夢への第一歩です。

ふたりでいつでも悪ふざけ


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